再会

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夕方、その席しか空いておらず、図らずも目の前での再会となった
クロヌマタカトシさんと、クロヌマさん作の女性像。

cartaのカウンターにあるその女性像とひさしぶり(おおよそ1年8ヶ月)に対面してこぼれた言葉
「ほんとに僕が作ったのかな」
「こんなに穏やかな顔してたかな」
誰かのもとへ旅立った作品と再会することはほとんどないそうだが
こうして会う機会があると、それぞれの作品たちはその場所の空気を纏って
どんどん変化していってるようにみえる、と。

その夜は人間同士もひさしぶりの対面だったので
美味しい料理を挟んでお互いに伝えたいことが溢れて
食事に少しかわいそうなことをしてしまったと思うほど。
いや、美味しい食事があったから、話が尽きなかったのかな。

その際に伺ったこと
所有することについての考察.
喫茶店のような公共性のある場所に作品があることの意味.
自分がクロヌマさんに手紙を書いて投函し、その手紙が届く前に
盛岡行きのチケットを予約していたという偶然.
cartaにある女性像がとある作家さんの文庫本の表紙に抜擢?されたこと.
名久井直子さん装丁の小川洋子さんの新刊「口笛の上手な白雪姫」にはクロヌマさんの白鳥が使われたこと.
ミナペルホネン京都で開催されたクロヌマさんの個展にまつわる様々な出来事.
冊子 工房からの風 とデンマークのお話し、からのデンマークと盛岡のこと.
藤井聡太四段と羽生永世七冠の本当の凄さと「すごさ」を表す語彙力の無さ.

などなど。

クロヌマさんとはいつも環境や年齢差を超えて
いろんな事柄に対する心模様が類似している感じがして(勝手に)
なんだか落ち着く。

帰る日の午後、旅の目的のひとつ
白鳥に会うため、中津川の富士見橋まで散歩に出かけ
無事に会えた様子、よかった。

ここで少し遡って。

2016年5月のクロヌマさんのcartaでの個展「北への手紙」。
初日前日はクロヌマさんの設営が終わり次第、FOLKLOREのライブ準備、リハーサル、というスケジュール。
その日はミナペルホネンの皆川さんも立ち寄ってくださる予定で、皆川さんは設営が終わった後と
リハの始まる狭間という絶妙な時間に現れました。
cartaの店内に一歩入ってすぐに「あ、この白鳥、持ってる」と皆川さん。
「え?ほんとですか?」という会話に気づいて振り向いたクロヌマさんが
「あ!皆川さん!」「あれ!クロヌマさん!」
どうやら皆川さんとクロヌマさんは面識がおありだったよう。
そのことにびっくりしたcarta。
cartaでクロヌマさんの個展が今まさに始まろうとしていることにびっくりしている皆川さん。
皆川さんとcarta…?皆川さんが今日、盛岡のここに居る??ただただびっくりしているクロヌマさん。
そこにFOLKLOREの皆々さまがリハを始めようと集まってきて
あの瞬間は小さな店内でいろんなベクトルで驚きあっていて
今思い出しても少し興奮します。

何かが動き出した瞬間。
その動きの行き先はいくつかに枝分かれして
ひとつはすでに叶っており
いくつかは芽が出始め
いくつかは耕しているところ。
こんなことも懐かしく話した夜でした。

また会いましょう、と約束して。

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2018.01.28|日々の手紙

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