rendez-vous!

ここ盛岡にて喫茶店を開いていると思いもよらない出会いがやってきたりします。
週に一度や月に一度のお客さまもいらっしゃるし、一年に一度とか、または二年に一度の感じでたずねてくださる方もいらっしゃいます。

音楽の旅をされている方との出会いがあるなんて、店をオープンした時には考えたこともありませんでした。
今なら店の広さはライブができるくらいは欲しいな、などと想像できますが10年前は全く。

今年もmama!milkのお二人をお迎えして演奏会を開催できてよかったなあと振り返っているところです。
盛岡でのmama!milkの演奏会は2012年から始まり、今年で5回目でした。
少しずつ少しずつやりとりを重ね、また今年も会えて嬉しいと近況を語り合えるようになるって面白いなあと思います。

今年の公演のタイトルは「rendez-vous(ランデヴー)」。
mama!milkのお二人と、盛岡からパイプオルガンでゲスト出演の藤岡さん、という構成になると聞いてふと浮かんで来た言葉でした。
ランデヴーには、それぞれに別の軌道を持つ衛星同士がある時に偶然に宇宙空間で接近するような時間という意味もあるのです。

mama!milkのいつもいる場所と音楽、藤岡さんがいつもいる場所と音楽。それぞれの軌道。それぞれの音楽。
教会の中で壇上のmama!milkと、そこから真正面しかも後ろ向きでオルガンに向かう藤岡さん。
音が重なって、また離れて、一つの音が残り、何も無くなって。
また一つの音から二つと重なって、音楽になって動き出す時。
内丸教会の中空で接近して気配を感じあって重なる三人、合奏になっているのをはっきりと感じて涙が止まりませんでした。

無事に演奏会は終わりましたが、当日までにはいつもと違う試練のようなことがありました。
音楽家のお三方の準備の様子に身が引き締まったし、待つこと決めること想いを伝えることの大事さも身にしみて。
結果、rendez-vous以外には当てはまらないくらいの出来事を乗り越えて
rendez-vousという言葉通りの素晴らしい、人生こそrendez-vous!とハグしたくなるような演奏会になりました。

mama!milkのお二人だけでなく、店を訪れてくださる方々は皆旅人というか衛星ですよね。
rendez-vousのもう一つの意味は「会う約束」。
なかなかいいタイトルだったなあ、などと昨晩の余韻に浸ってぼーっとしながらそんなことを思った日曜日でした。

rendezvous08

2016.11.27|日々の手紙

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